ユユユユユ

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N響定演: ブロムシュテット指揮のマーラー第九

先週のオーチャードホールに続いてN響のプログラムを聴きにでかけた。NHKホールを訪問するのは初めて。マーラーの大作を聴ける機会ということで楽しみに向かった。 ブロムシュテットという名前は、いつかみたドキュメンタリー番組で記憶していた。東独時代…

クラークスのモカシンを買った

仲のいい美容師さんが格好いいモカシンを履いていた。それどこのやつですか、と尋ねて、クラークスのワラビーという製品だと知った。そのまま渋谷神南のクラークス販売店に行って、黒のを一足買った。 品のいいホールでコンサートを聴いたり舞台を観たりする…

黒澤明の『悪い奴ほどよく眠る』

「悪い奴」に正義が立ち向かうという大きな筋書きを、社会的な関係と人情の機微で肉付けして厚みを出す脚本で語っていて、たいへん満足した。 秘密の動機を浮き彫りにするやりかたがおもしろい。汚職の秘密を共有する「クリーンナップトリオ」に食い込んでい…

第121回N響オーチャード定期を聴きにいった

「コンサートホールで世界旅行! 北欧の秋」というサブタイトルがついている演奏会。ウィーン生まれのサッシャ・ゲッツェルさんが指揮をとって、こういうプログラムだった。 グリーグの「ペール・ギュント」第一組曲 作品46より "朝" グリーグのピアノ協奏曲…

最低のアレ

二日前のこと。あるウェビナーにて、質疑のセッションでぼくの発言したなにかが講師の機嫌を逆なでした。そして、拒絶の言葉を投げられた。なにがタブーだったのかはわからない。悪意をもって発言したわけではないときに、どうしてこう互いに不愉快にならな…

フランス語のテネシー・ウィリアムス『ガラスの動物園』

テネシー・ウィリアムスの『ガラスの動物園』の舞台をみた。イヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出、イザベル・ユペールの主演で、新国立劇場にて。舞台を見に行くのは一年前のマハーバーラタ以来。パリのオデオン座による制作を招聘するというのはずいぶん大きな…

横浜市民アートギャラリーに「今日の作家展」をみにいった

先週末の話。横浜市民アートギャラリーに「今日の作家展」をみにいった。 古川結さんの、和紙に岩絵具が自由な色と形で提示される作品群の展示。小林達也さんの、「自分でもなにをつくっているかわからない」と韜晦する大きなペインティング。大崎清夏さんの…

フェリーニの『8 1/2』

印象的なシーンはあった。たとえば大女のダンス。ルイーザの憤激。泥風呂でのめくるめくワンショットでのセリフ回し。それらはみな、この映画が名作たるゆえんではなく、ジャンクに埋もれた一片の輝き、全体の成功に寄与しない一部の成功、とみた。芸術家は…

黒澤明の『天国と地獄』

夕暮れに話ははじまる。主人公権藤が勤め先に敵対的買収をかける計画が披露されたあとに、誘拐犯からの最初の電話と、警察の秘密の介入によって舞台のお膳立てが整って、他人の子のために身代金を支払うか、支払わないか、という問題に煩悶する演劇仕立ての…

小野絵里華『エリカについて』

新宿紀伊國屋書店をふらっとおとずれたら、一階と二階のフロアが大きく改装されて公開されていた。そういえばしばらくのあいだ二階の文芸コーナーがアクセス不能になっていて、眺めたい棚がどこにいってしまったのかわからなくなっていた。昔ほどにしょっち…

ヴィスコンティの『ベニスに死す』

セリフの比重が大きくないわりに、じっくりと演技をみせるということもしてくれず、遠くに配置したカメラをしつこくズームインして登場人物の顔がスクリーンからはみださんばかりとなり、ちょっと動くだけでも画面のなかでは激しく動いてしまって落ち着かな…

Light in August by William Faulkner

肌の白い男。彼が容疑を受ける殺人、放火、逃走。生まれたときから黒人の血が流れていると疑われて、自分が白いか黒いかも、なんのために生まれてどこに向かっているのかもわからずに、数少ない知己とのすれ違いから破滅のほうに押し出されていく。 身重の若…

『気狂いピエロ』

どんな男が話しているのかわからない、ベラスケスへの晦渋な批評のモノローグからはじまる。書きことばを読みあげていて、おそらく話者自身も意味を伝えられると信じていないし、伝えようとははなからしていない。伝わる意味があるとすれば、それは難しそう…

マーラーの第五交響曲

オーチャードホールに東京フィルの定期演奏会を聴きにいった。アンドレア・バッティストーニの指揮で、演目はリストの「ダンテを読んで」のバッティストーニによる編曲と、マーラーの第五。前から7列目の席にいて、オーケストラはとても近くに見えたが、舞台…

奥多摩にキャンプ

オレンジのハスラーを友達に借りてもらって、男子4人でキャンプにいった。行きは練馬から関越道。所沢、川越を通って青梅へ。帰りは土砂降り。渋滞を避けて、あきる野、八王子、日野、立川と下道をのぼって、国立府中から新宿まで中央道。 土曜日。奥多摩町…

『勝手にしやがれ』

正直なところ、この映画に強い印象や大きな存在感を感じてはいなかった。学生の頃にお勉強で観賞して、ふうん、と思ったくらいだった。つまらないとは思わなかった。ベッドの上でタバコを吸うのは格好いいけど、灰のやり場所にこまるだけだから真似すること…

ヘリノックスのチェアワン

来週末に奥多摩にキャンプにいくことになった。せっかくだしなにかひとつ余剰物資をもっていけると楽しいだろうな。コンパクトで、それでいて座り心地のいいような野外用チェアがあるといいなとおもった。 新宿までいってみることにした。快晴だったから、自…

思い出された万年筆

日記を長く書くときにボールペンでグリグリ書き込むのは手が疲れる。紙の上にペン先をおいただけで文字が流れていってくれるといいなとおもった。 学生の頃にプレセントされた真鍮の万年筆があったはずとおもって探したら、昔のトラベラーズノートのポケット…

北八ヶ岳

職場の友人に誘われて八ヶ岳にのぼった。ニュウという峰に登り、そこから中山という峰へと渡って、下山した。2000メートルほどの地点にある登山口から、2300メートルを越すくらいの高さまで上った。それくらいならなんとでも、という軽い心意気で臨んで、し…

Local Green Festival '22 Day 1

土曜日はフェスに遊びに赤レンガ倉庫にいった。ライムスター、キャンディタウン、ナルバリッチと3アクトをみた。各組だいたい50分のセットを演じてくれて、つごう3時間気持ちよく身体を動かした。 3年前にお台場のフェスで観たライムスターをもういちど観に…

放送大学の継続入学をしないことにした

もともと選科履修生という1年間だけ在学が許されるコースにいて、はじめの計画ではこれを2年間こなして聞きたい講義を聞ききる、というつもりだった。いまがその継続のタイミングにあたり、オンラインで科目選択をして学費を納入するだけという手続きをする…

クセナキス生誕100周年プログラム

サントリーホールのサマーフェスティバルというイベントのスケジュールのうち、金曜日の夜のプログラムを聴きにいった。サントリーホールを訪れることも、平日のプログラムに出席することもはじめてだった。一階席の二列目という近さでステージを拝めた。 ク…

大崎清夏さんの話し言葉

詩人・大崎清夏さんのオンライン講演を聞いた。自分の言葉の体系を持っているひとの、言葉の量よりもずっと大きな存在感を画面の向こう側に感じた。このひとのように丁寧に話せるようになりたいとおもった。 自分のことを語りたいという虚栄と俗情。しかしつ…

成績通知書が届いた

履修した4科目とも一番上の評語を受けられた。マルエーという記号がどうもピンとこないけれど、定義によると90点以上となっている。通信課題で思わず低い点をとってしまったりしたことは、期末試験の成績でカバーできたらしい。その期末試験でも、最後の設問…

模様替え

寝室と書斎を入れ替えた。引っ越してきたときに小さい方の部屋を書斎にあてていたのだが、一日のより長い時間を過ごす部屋が小さくて、より大きい部屋は寝起きするだけというのが味気なく、気分転換をすることにした。 もともとぼんやりと計画していたものを…

罹患

京都に一泊した翌々日に発熱した。発熱外来を受診して、陽性の診断を受けた。保健所に連絡して、自宅療養を指示された。 めったにない高熱を経験した。40.5℃に張り付いていっこうに解熱しないとおもわれる時間もあった。気絶するように意識を失って、気がつ…

The Sound and the Fury by William Faulkner

いちど通読したとおもわれる痕跡が残っていた。難しい単語にマーカーで下線が引かれているのである。 学生のころに購入して、夏休みかなにかの折に第一部を読んだのは覚えている。そこで挫折した記憶があった。コロナに罹って寝込んでいるほかなにもすること…

Mrs. Dalloway by Virginia Woolf

紀伊国屋の新宿南店にてペンギン・クラシックス版を買った。おもしろく読んだ。ウルフを読むのははじめて。詩的なレトリックが頻出する文章を原書で読むことができるのは幸運であった。 たぶん和訳で読んでいたら途中で飽きてしまっていたんじゃないかとおも…

祇園、雑居ビルにある居酒屋

夏の関西らしいものと考えて、はもを食べたいとおもった。 適当に電話をかけて予約して、向かってみたら雑居ビルのなかの小さい居酒屋だった。地方にこの手の店がたくさんあることは小学校の同級生のうち何人かの父親がそこで板前をやっていたので知識として…

Brian Eno Ambient Kyoto

金曜日に京都にいって、ブライアン・イーノの個展をみてきた。開催がアナウンスされたときから関心をもっていて、もとは妹が京都大学のオープンキャンパスに参加するのに合わせて訪れるつもりでいた。それが大学の事情で中止となったため、日程を変更してひ…