ユユユユユ

webエンジニアです

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年はこんな映画をみた

劇場で観たものでよかったものを選び出すとこうなる。正しく順序付けようというほどに考えてはいなく、なんとなく記憶に残るものを上においておく。 『偶然と想像』 - ユユユユユ 『グリード (1924)』 - ユユユユユ 『コーダ あいのうた』 - ユユユユユ 『トップガン マーヴ…

2022年はこんな本を読んだ

なにかを思い出したかのように唐突に、英語で人文書を読みだしたのはいいことだった。とりわけ Light in August をじっくり読み返せたのはよかったなあ。 Modernism: A very short introduction - ユユユユユ Mrs. Dalloway by Virginia Woolf - ユユユユユ The Sound …

History: A Very Short Introduction

Oxford University Press によるシリーズより、歴史学の簡明な入門書を読んだ。 「歴史とはなにか?」と問うのはなかなかやりづらい。どんな回答に納得できるのか、自分自身でもよくわかっていない。まして歴史の専門家であれば、その回答がいわばアイデンテ…

鎌倉殿の13人、ギブアップ!

全48話中44話まで観た。もうすこしでフィナーレなのだけれど、おもしろくなくなってしまったので、来年に持ち越すことはせずにおしまいにすることにした。 源実朝が右大臣に叙されて、鶴岡八幡宮に参詣する。その雪の日の惨劇をいざ迎えようというところまで…

インコに噛まれた

右の人差し指の第一関節のあたりにガシッとくちばしで食いつかれた。 爪の根元あたり。手先が冷えていたのではじめは傷がついただけにみえたが、やがて出血もした。 あんがい血管が密集しているらしい。このようなところに傷をつくるのはめったにないことで…

石黒正数の『外天楼』を読んだ

石黒正数の『外天楼』を読んだ。コミック好きの同僚らがこの作家に言及しているのを聞いて、短編集の装いをしているこれをひとつ読んでみることにしたのだった。 舞台背景の情報を短い挿話に書き込んで、本筋からの逸脱も群像劇にちりばめながら、最後にはひ…

速度と加速度

TIL

速度から変位を求めることと、加速度から速度変化を求めることは相似をなしている。 初期位置 が与えられていれば、任意の時刻 での位置は速度 からこう求まる。 速度の初期値 が与えられていれば、任意の時刻 での速度は加速度 からこう求まる。 特に が定…

仕事納め (2022)

きょうで仕事はおわり。ぼんやりしたいちねんだった。 4月に GitHub の求人をたまたまみつけた。「あ、受けたい」とおもった。はじめて書く英文レジュメを Amazon のロンドンオフィスで働く友達に添削してもらった。そのレジュメはそこから回し読みされて、…

駿台文庫の『新・物理入門』

ものしりの友達が教えてくれて、しばらく興味をもちながら手に入れていなかった物理の参考書を買った。 駿台文庫の『新・物理入門』は、高校物理の上級者向けの参考書とされている。しかしそれは端的に難解であるというのではなさそうにみえる。一般の教科書…

ひろい家にたったひとり

クリスマスの週末が開けた月曜日に帰省した。 地域のおおきなテニス大会に妹が出場することになった。それに付き添って母も家を空けることが必要になった。誰もいなくなった実家でインコの面倒をみる人頭として帰省を促された。大学生の弟でもアルバイトの妹…

二日間のクリスマスパーティ

この年のクリスマスは週末に重なっていた。この2ヶ月で急激に仲の縮まった大切な友達とふたりで過ごした。 土曜日の午後に荻窪で落ち合った。タウンセブンの魚屋で鯛の切り身をふたつ買った。お肉ではなくて魚を食べようとあらかじめ決めていたのだった。 都…

大阪旅行 二日目

最後には大阪から東京までレンタカーで帰ることになった。終わってみればそれに尽きるといって不足ない旅行だった。 朝は堺筋線で日本橋から恵美須町へ。喫茶「いずみ」でモーニング。おいしいハムトースト。続いて新世界の「ぎふや」で煮玉子の串カツなど。…

大阪旅行 一日目

週末に大阪にあそびにいった。 羽田から JAL に乗った。歴史学の導入をはかる薄い英書を読んで空の時間を過ごした。伊丹空港から梅田まで向かった。たぶん新幹線のほうが早かったとおもう。前日入りしていた友人と合流。ひとの波。粉ものの店があんがい見つ…

『ゾンビ』

ジョージ・A・ロメロとダリオ・アルジェントの『ゾンビ』を観た。 学生時代に残酷映画の製作と啓蒙をしていた友人がこれの大ファンだった。彼ともっとも仲のよかったころは、どうしてか観賞していなかった。サウンドトラックの生演奏イベントがあるといって…

『ホワイト・ノイズ』を観た

ドン・デリーロの『ホワイト・ノイズ』が映画化されたというのでたのしみに観にいった。アップリンク吉祥寺にて。 大量のモチーフがほとんど生のまま動員されて、とっちらかったままに幕引きとなった。というと散漫を否定するものいいのようになるが、そうで…

『フルートベール駅で』

ライアン・クーグラー監督の第一作にしてマイケル・B・ジョーダンの出世作でもあるすぐれた映画をみた。 22歳のオスカー・グラント青年が現実に銃撃される瞬間の、携帯電話のカメラのフッテージが冒頭に挿入される。その生々しい暴力を提示したうえで、劇は…

『クリード 炎の宿敵』

『クリード チャンプを継ぐ男』に続けてシリーズの第二作を観た。 公開時に劇場で観た記憶がある。そのときにはじゅうぶん楽しめたようにもおもう。しかしあらためてみるとしょうしょうメロドラマ的にすぎる印象が勝った。家族、親子、結婚、出産。これらの…

大崎清夏さんの『目をあけてごらん、離陸するから』

詩人の大崎清夏さんの新刊をジュンク堂の池袋店でみつけた。あとからみると、その日がちょうど発行日だった。万年筆のサインと「よい飛行を」というメッセージがはいってある。 文庫本よりもすこし縦長の形態をしていて、表紙を脱がすと水彩画のしたにローマ…

『クリード チャンプを継ぐ男』を観た

来年に続編があると知って『クリード』の第一作をみなおした。 少なくとも二度はみているはずなのに、始終肩に力をいれてみていた。リッキー・コンラン戦、最終ラウンド前のロッキーとアドニスのやりとり--"Prove what?" "I'm not a mistake"--で、おもわず…

Jacob Collier: DJESSE WORLD TOUR 2022

大学時代から彼を好んでいた友人に誘われて、お台場にジェイコブ・コリアーのバンドを観に行った。 Zepp Diversity は混んでいた。それで文句があるというよりはむしろ、オールスタンディングでぎゅうぎゅうになりながら大きな音で音楽をやるイベントがもう…

『アラモ』を観た

ジョン・ウェインの『アラモ』をみた。原題は The Alamo 。1960年。 テキサスにある砦を争ったといいつつ、結局のところ砦は守りきられたかどうか。米墨戦争とどのように関係しているか。このあたりの史的事実はなにひとつ知っていなかった。単にジョン・ウ…

『東大連続講義 歴史学の思考法』を読んだ

異なる時代と地域をそれぞれ専門にする12人の歴史家の、歴史学へのイントロダクション講義を束ねた本。これを読んだ。 「思考法」とひとつの言葉で抽象化するにも多彩なもののみかたが提示されて、とうぜんこの一冊によって歴史学のすべてを飲み下すことはで…

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

あまりにもよくない。150分の上映で、キルモンガー登場の2分間以外にみるものがほとんどなかった。 誰ひとりとしてまっとうな描かれかたをしていない。毅然たる女性像を演じていたはずが唐突に感情をむき出しにしてリーダーにふさわしくないことを無意味に表…

『遠い夜明け』を観た

前半部はスティーブ・ビコの若い晩年と死、後半部は彼の生涯を国外に伝えようと南アフリカからの亡命を目指す白人ジャーナリストの逃走劇を描く。1987年の映画。 思慮深く、物腰は柔らかく、それでいて強力な信念を持った若いリーダーに、こちらも若く穏やか…

恩師の研究室を訪問

卒業論文の添削を受けていた4年半前からはじめて先生に会った。 急き立てられるようにして仕事をはじめてしまって、勉強すべきだったことをほったらかしにしてしまっていたと後悔するように思い出すことがあった。大学院に進んでもお金の問題に苦労しなくて…

京都御所の散策

京都出張の翌土曜日は自由行動をした。 空腹に目を覚まされて、チェックアウト期限よりも早くにホテルをでた。二条城北から京都御苑の方面に歩いた。進々堂でパンを買い、烏丸丸太町交差点のコーヒースタンドで浅煎りのエチオピアをドリップしてもらった。コ…

京都出張

おおきなリリースをねぎらってもらうようにして京都にはじめての出張をした。 在京のメンバーが京都のメンバーをおとずれる形をとった。金曜日の朝の新幹線で東京を発って、昼についた。新幹線では高校生たちとその引率の教師が周囲を埋めていた。宮城県から…

『ボリス・ゴドゥノフ』を観た

初台のオペラシティにムソルグスキーのオペラを観に行った。 外国語の演劇を一流の歌手たちが演じて、しかもそれがオーケストラの演奏を伴っているという舞台。いったいどんな体験なんだろうとかねがね興味を持っていた。それを初めてライブでみた。実にぜい…

Miho Hazama & Danish Radio Big Band の公演にいった

日曜日、池袋の東京建物ブリリアホールにビッグバンドを聴きにでかけた。 狭間美帆さんという名前を初めて聴いたのは大学生のころのはず。以来年を追うごとに名声が大きくなっていくのを見知りして、いつか聴きにいってみたいが、それはアメリカにでも行かな…

北野武の『あの夏、いちばん静かな海。』を観た

北野武の三作目を観た。 1991 年の作品。 サーフィンを主題にして、爽やかなスポーツ映画の装いをしている。聾者の主人公が、静かな情熱で波乗りに没頭していくさまを、ほとんどダイアログを使わずに表情とたたずまいだけで穏やかに映す。騒がしくなく、余裕…