ユユユユユ

webエンジニアです

祇園、雑居ビルにある居酒屋

夏の関西らしいものと考えて、はもを食べたいとおもった。 適当に電話をかけて予約して、向かってみたら雑居ビルのなかの小さい居酒屋だった。地方にこの手の店がたくさんあることは小学校の同級生のうち何人かの父親がそこで板前をやっていたので知識として…

Brian Eno Ambient Kyoto

金曜日に京都にいって、ブライアン・イーノの個展をみてきた。開催がアナウンスされたときから関心をもっていて、もとは妹が京都大学のオープンキャンパスに参加するのに合わせて訪れるつもりでいた。それが大学の事情で中止となったため、日程を変更してひ…

書くために読む?

上手に文章を書く。なんだか憧れはあるが、なんとも要領を得ないことを言っているようでもある。名文を味わおう。名作の書き出しと文体に学ぼう。俗ではそういうことが言われていたりする。しかしそれでは書くという目的が読むことにすり替えられているよう…

ゲルハルト・リヒター展

国立近代美術館を訪れた。ゲルハルト・リヒター展は明らかに今年の展覧会スケジュールの白眉となる企画で、年初から楽しみにしていた機会であった。しかも同じ期間にボナールの新規収蔵作品のお披露目も開催されている。快晴で、気温は38℃。北の丸公園の日射…

Beats X

エアーポッズを耳に挿して長いオンライン講演を聞いていた。3時間をまわったあたりで、充電が切れて聞こえなくなった。最後まで聞くだけならノートパソコンのスピーカーでも十分であるのだが、最後にやってくる質疑のセッションで尋ねてみたいことがあったの…

ghq でインストールしたレポジトリをまとめて pull する

TIL

github.com/x-motemen/ghq でインストールしたレポジトリをまとめて pull する。並列化したスクリプトを自前で書こうとする前にオプションのリストを眺めていたら、単にワンライナーでできることに気づいた。それがこれ。 ghq list | ghq get --update --par…

『リコリス・ピザ』

断片的なエピソードを恣意的にみえるやりかたで接合して長編に仕立てた印象があった。ひとつひとつの断章はおもしろい小話になっているが、全体を統合する構造をつい探してしまい、それがあらわれなかったことで肩透かしを受けた感覚があった。 青春映画の体…

川端康成『古都』

川端康成が読みたいというよりは、京都の話を日本語で読みたいという気分があった。『古都』という作品があると聞き知って、それが新潮文庫から新装版で出始めているということも気に留めていた。その新しい版が区立図書館にあるのを偶然にみつけて借りてき…

Modernism: A very short introduction

芸術思潮としてのモダニズムというのにふと新しく興味がわいて、新宿南口の紀伊国屋の、洋書のフロアを久しぶりに訪れてこの本を見繕った。大学でロマン主義の講義をとったときに、これと同じシリーズの本をテキストに使って、英語のレポートはこういう文体…

自転車の点検

自転車のサドルがガタガタになっていた。こぐと腰のトルクに合わせて尻の下でゆらいで、ズルズルストンと落ちるようになっていた。暑さでバカになったかと笑い話になればいいものの、まれに起こるだけの不調だったものが徐々に頻度を増して、不快であるだけ…

ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』

名誉が重んじられていた時代の小さな共同体で、「おれはあいつを殺す」というぐあいに、殺人が予告される。あるものはそれを酔っ払いの大言壮語とおもい、あるものは本気でそれを防ごうと奔走する。それを止めるチャンスは無数にあったはずながら、ボタンの…

『わたしは最悪。』

クライテリオン・コレクションのアーカイブから、気の向くままにお気に入りの映画をいくつかピックアップする短いビデオシリーズをこのまえ見つけた。このビデオではスターの風格を持ったレナーテ・レインスヴェという女優がフィーチャーされている。 https:…

バカと言いあう美しい世の中

当てこすりをすると、ひとまず溜飲は下がるが、あとになってこれがやれ誹謗だ中傷だ名誉毀損だと大騒ぎになると困るなあ、と萎縮させるような後悔もある。それは愉快でない。 バカ野郎とひとを罵り、それが「あなたの知性は低くいらっしゃいますね」と字義通…

期末試験のはじまり、ほとんどおわり

放送大学は昨日から一学期の試験期間になっている。今期からマークシート方式を廃止して、オンライン受験に移っている。この土曜日に4課程中3つを受験した。解析、線形代数、データベース。 解析の対策にいちばん不安があった。講義を聞いても五里霧中になっ…

鎌倉殿の13人

今年の大河ドラマはめっぽうおもしろいという話を教えられて、この月から NHK オンデマンドを契約して、駆け足で最新話まで追いついた。ちょうど頼朝が物故したところ。13人というキーワードは次回から大きく取り上げられることとなり、いよいよおもしろく、…

日傘、図書館、台湾料理

猛暑につきランニングを止めているのだが、昼食のあとに散歩する習慣は残している。6月末に猛暑が続いたときに日傘を調達した。暑いことには変わりがなく、焼け石に水とおもいもしながら、それでも日差しを直接受けるよりはずっとマシだと信じて持ち歩いてい…

温又柔『魯肉飯のさえずり』

新しい小説を読むのはずいぶん久しぶりになる。読みだした最初の10ページほどはなかなかこちらのエンジンがかからずにいた。若い主婦がキッチンに立って独白するという、うまく自分にひきつけてもぐりこめない舞台から話がはじまるので、たしょうの戸惑いは…

『ベイビー・ブローカー』

もっとも崇高な瞬間はただ一度だけ訪れる。 それは決定的な破局の直前に訪れる。嵐の前の静けさといってもいいかもしれない。どうしてこんなことに、と浮足立ってもおかしくないときに、かえって運命をいつくしむようにして悠然としている。 灯りを消して、…

解析入門 ('18) 全15回

シラバスの課程を終えた。しかし音声講義の不十分さから、不必要に苦しめられたという嫌な気分は最後まで残っている。自分の能力不足を棚にあげて教師を責めることほど無神経なことはないとわかりつつも、ここに関しては我慢することが難しい。ぼくの水準と…

線形代数学 ('17) 全15回

「入門線形代数 ('19)」の直接の続編講義である。「入門」では、行列演算の基本事項から「固有値を求めて対角化する」というところまでをカバーしていた。今期の講義では、幾何ベクトルから再出発して、各種の変換を学んで、ジョルダンの標準形を求める。ま…

『サッドヴァケイション』

暗闇のなかに二人組が立っている。粗野な格好をして、並んで遠くを眺めている。なにかを待っている。 二人は無言で無骨な鉄ハシゴを降りる。狭い地下室に男たちがすし詰めに横たわっており、眠っていたのだろう、懐中電灯に照らされて不服そうににらみつける…

『奇跡の丘』

パゾリーニによるキリストの生涯の映画化。国内上映権が切れるタイミングで新文芸座が上映するというので、レイトショーで観にいった。 とても嫌な映画だった。詭弁だらけの論破王。ポピュリストの独裁者。そういうフレーズが上映中ずっと頭のなかを走り回っ…

『アポロンの地獄』

散文的に幕を開ける。とりとめがなく、文字通り焦点の定まらないショットが続き、前半部分は眠気を引き出されていた。しかしオイディプスが即位し、テーバイを災厄が襲いはじめてからというものは、否応なく目を見開かされる、感覚に痛々しいシークエンスが…

解析、床屋、お好み焼き

快晴。早朝から一気に気温が上がり、暑すぎて嫌でも目が覚める。最高気温が37℃だという。梅雨はどこへいったのか。冷房を効かせた部屋で、昼休みをはさみながら、解析の勉強。 南中からしばらく待って、サンダルを突っかけて自転車で出かける。駅前でタイヤ…

ラジオ講義への不満

解析入門の講義は第14講のローラン級数にはいろうというところ。ラジオ講義の解説は数式を口頭で読み上げるという前近代的な仕上がりになっている。コーシーの積分定理の証明の途中式をだらだらと詠唱しているさまを想像してほしい。不便を超えて悪質の域に…

データベース('17): 全15回

放送大学の「データベース('17)」の講義を完走した。週に一課を一定のペースで進めるのではなく、気が向いた時間に数回分の講義をまとめて視聴するやり方で通した データベースという言葉の語源が、50年代に米軍が持っていた情報集約基地のことをズバリ指し…

『私だけ聴こえる』

疎外感を感じるのは誰にでもあること。自分ではどうしようもない、神が与えた境遇に苦しむのは普遍的なこと。悩みや不満を共有できる相手がいることはたぶん、心からわかりあうこととはすこし違う。その宙吊りなアイデンティティを、コーダという名前で定義…

『マイスモールランド』

大学3年のとき、『ペルシア語文法ハンドブック』という文法書を、その著者の吉枝先生の研究室で買わせてもらった。それをカナダ留学に持参して、在カナダのイラン系移民の子どもたち(彼らは親の言葉を話せないのだった)と一緒に、ペルシア語の授業を受けて…

『トップガン マーヴェリック』

映画はフィクションだというのは大前提であるのに、それでも「そんなご都合主義なことがあるかねえ...」と醒めた態度でもって、リアリティがなくていまいちピンとこないんだよねえ、と気の抜けた感想を持ってしまうことはしばしばある。つまらない大人の仕草…

So long!

恩着せがましいといわれた。そうなんだろうな。 自分に酔っているのだといわれたら、たぶんそうなのだろう。そうなのだろうから仕方がない。どうしようもない。ひとのためになにかをする。それを互いに幸福におもえる。そういう幻想を楽しめなくなったら、お…