2022-01-01から1年間の記事一覧
どんな男が話しているのかわからない、ベラスケスへの晦渋な批評のモノローグからはじまる。書きことばを読みあげていて、おそらく話者自身も意味を伝えられると信じていないし、伝えようとははなからしていない。伝わる意味があるとすれば、それは難しそう…
オーチャードホールに東京フィルの定期演奏会を聴きにいった。アンドレア・バッティストーニの指揮で、演目はリストの「ダンテを読んで」のバッティストーニによる編曲と、マーラーの第五。前から7列目の席にいて、オーケストラはとても近くに見えたが、舞台…
オレンジのハスラーを友達に借りてもらって、男子4人でキャンプにいった。行きは練馬から関越道。所沢、川越を通って青梅へ。帰りは土砂降り。渋滞を避けて、あきる野、八王子、日野、立川と下道をのぼって、国立府中から新宿まで中央道。 土曜日。奥多摩町…
正直なところ、この映画に強い印象や大きな存在感を感じてはいなかった。学生の頃にお勉強で観賞して、ふうん、と思ったくらいだった。つまらないとは思わなかった。ベッドの上でタバコを吸うのは格好いいけど、灰のやり場所にこまるだけだから真似すること…
来週末に奥多摩にキャンプにいくことになった。せっかくだしなにかひとつ余剰物資をもっていけると楽しいだろうな。コンパクトで、それでいて座り心地のいいような野外用チェアがあるといいなとおもった。 新宿までいってみることにした。快晴だったから、自…
日記を長く書くときにボールペンでグリグリ書き込むのは手が疲れる。紙の上にペン先をおいただけで文字が流れていってくれるといいなとおもった。 学生の頃にプレセントされた真鍮の万年筆があったはずとおもって探したら、昔のトラベラーズノートのポケット…
職場の友人に誘われて八ヶ岳にのぼった。ニュウという峰に登り、そこから中山という峰へと渡って、下山した。2000メートルほどの地点にある登山口から、2300メートルを越すくらいの高さまで上った。それくらいならなんとでも、という軽い心意気で臨んで、し…
土曜日はフェスに遊びに赤レンガ倉庫にいった。ライムスター、キャンディタウン、ナルバリッチと3アクトをみた。各組だいたい50分のセットを演じてくれて、つごう3時間気持ちよく身体を動かした。 3年前にお台場のフェスで観たライムスターをもういちど観に…
もともと選科履修生という1年間だけ在学が許されるコースにいて、はじめの計画ではこれを2年間こなして聞きたい講義を聞ききる、というつもりだった。いまがその継続のタイミングにあたり、オンラインで科目選択をして学費を納入するだけという手続きをする…
サントリーホールのサマーフェスティバルというイベントのスケジュールのうち、金曜日の夜のプログラムを聴きにいった。サントリーホールを訪れることも、平日のプログラムに出席することもはじめてだった。一階席の二列目という近さでステージを拝めた。 ク…
詩人・大崎清夏さんのオンライン講演を聞いた。自分の言葉の体系を持っているひとの、言葉の量よりもずっと大きな存在感を画面の向こう側に感じた。このひとのように丁寧に話せるようになりたいとおもった。 自分のことを語りたいという虚栄と俗情。しかしつ…
履修した4科目とも一番上の評語を受けられた。マルエーという記号がどうもピンとこないけれど、定義によると90点以上となっている。通信課題で思わず低い点をとってしまったりしたことは、期末試験の成績でカバーできたらしい。その期末試験でも、最後の設問…
寝室と書斎を入れ替えた。引っ越してきたときに小さい方の部屋を書斎にあてていたのだが、一日のより長い時間を過ごす部屋が小さくて、より大きい部屋は寝起きするだけというのが味気なく、気分転換をすることにした。 もともとぼんやりと計画していたものを…
京都に一泊した翌々日に発熱した。発熱外来を受診して、陽性の診断を受けた。保健所に連絡して、自宅療養を指示された。 めったにない高熱を経験した。40.5℃に張り付いていっこうに解熱しないとおもわれる時間もあった。気絶するように意識を失って、気がつ…
いちど通読したとおもわれる痕跡が残っていた。難しい単語にマーカーで下線が引かれているのである。 学生のころに購入して、夏休みかなにかの折に第一部を読んだのは覚えている。そこで挫折した記憶があった。コロナに罹って寝込んでいるほかなにもすること…
紀伊国屋の新宿南店にてペンギン・クラシックス版を買った。おもしろく読んだ。ウルフを読むのははじめて。詩的なレトリックが頻出する文章を原書で読むことができるのは幸運であった。 たぶん和訳で読んでいたら途中で飽きてしまっていたんじゃないかとおも…
夏の関西らしいものと考えて、はもを食べたいとおもった。 適当に電話をかけて予約して、向かってみたら雑居ビルのなかの小さい居酒屋だった。地方にこの手の店がたくさんあることは小学校の同級生のうち何人かの父親がそこで板前をやっていたので知識として…
金曜日に京都にいって、ブライアン・イーノの個展をみてきた。開催がアナウンスされたときから関心をもっていて、もとは妹が京都大学のオープンキャンパスに参加するのに合わせて訪れるつもりでいた。それが大学の事情で中止となったため、日程を変更してひ…
上手に文章を書く。なんだか憧れはあるが、なんとも要領を得ないことを言っているようでもある。名文を味わおう。名作の書き出しと文体に学ぼう。俗ではそういうことが言われていたりする。しかしそれでは書くという目的が読むことにすり替えられているよう…
国立近代美術館を訪れた。ゲルハルト・リヒター展は明らかに今年の展覧会スケジュールの白眉となる企画で、年初から楽しみにしていた機会であった。しかも同じ期間にボナールの新規収蔵作品のお披露目も開催されている。快晴で、気温は38℃。北の丸公園の日射…
エアーポッズを耳に挿して長いオンライン講演を聞いていた。3時間をまわったあたりで、充電が切れて聞こえなくなった。最後まで聞くだけならノートパソコンのスピーカーでも十分であるのだが、最後にやってくる質疑のセッションで尋ねてみたいことがあったの…
github.com/x-motemen/ghq でインストールしたレポジトリをまとめて pull する。並列化したスクリプトを自前で書こうとする前にオプションのリストを眺めていたら、単にワンライナーでできることに気づいた。それがこれ。 ghq list | ghq get --update --par…
断片的なエピソードを恣意的にみえるやりかたで接合して長編に仕立てた印象があった。ひとつひとつの断章はおもしろい小話になっているが、全体を統合する構造をつい探してしまい、それがあらわれなかったことで肩透かしを受けた感覚があった。 青春映画の体…
川端康成が読みたいというよりは、京都の話を日本語で読みたいという気分があった。『古都』という作品があると聞き知って、それが新潮文庫から新装版で出始めているということも気に留めていた。その新しい版が区立図書館にあるのを偶然にみつけて借りてき…
芸術思潮としてのモダニズムというのにふと新しく興味がわいて、新宿南口の紀伊国屋の、洋書のフロアを久しぶりに訪れてこの本を見繕った。大学でロマン主義の講義をとったときに、これと同じシリーズの本をテキストに使って、英語のレポートはこういう文体…
自転車のサドルがガタガタになっていた。こぐと腰のトルクに合わせて尻の下でゆらいで、ズルズルストンと落ちるようになっていた。暑さでバカになったかと笑い話になればいいものの、まれに起こるだけの不調だったものが徐々に頻度を増して、不快であるだけ…
名誉が重んじられていた時代の小さな共同体で、「おれはあいつを殺す」というぐあいに、殺人が予告される。あるものはそれを酔っ払いの大言壮語とおもい、あるものは本気でそれを防ごうと奔走する。それを止めるチャンスは無数にあったはずながら、ボタンの…
クライテリオン・コレクションのアーカイブから、気の向くままにお気に入りの映画をいくつかピックアップする短いビデオシリーズをこのまえ見つけた。このビデオではスターの風格を持ったレナーテ・レインスヴェという女優がフィーチャーされている。 https:…
当てこすりをすると、ひとまず溜飲は下がるが、あとになってこれがやれ誹謗だ中傷だ名誉毀損だと大騒ぎになると困るなあ、と萎縮させるような後悔もある。それは愉快でない。 バカ野郎とひとを罵り、それが「あなたの知性は低くいらっしゃいますね」と字義通…
放送大学は昨日から一学期の試験期間になっている。今期からマークシート方式を廃止して、オンライン受験に移っている。この土曜日に4課程中3つを受験した。解析、線形代数、データベース。 解析の対策にいちばん不安があった。講義を聞いても五里霧中になっ…