ユユユユユ

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京都御所の散策

京都出張の翌土曜日は自由行動をした。

空腹に目を覚まされて、チェックアウト期限よりも早くにホテルをでた。二条城北から京都御苑の方面に歩いた。進々堂でパンを買い、烏丸丸太町交差点のコーヒースタンドで浅煎りのエチオピアをドリップしてもらった。コーヒー屋の店主は若いながら世間話が上手で、天気の話から豆の話まで雑談が弾んだ。御苑のベンチでひとり朝食にした。クロワッサンと豆パン。食後に腹痛があり、公衆便所にはいった。和式便器だけがあった。

ひろびろとした苑内はまだ人気もおおくなかった。平凡な松のあいまに燃えるようなもみじがあった。その下のベンチに寝そべって、雲ひとつない青空と真っ白な太陽を背景にした紅葉の写真を撮った。おおきな塀のまわりを自転車がつらなってつつましく走っていた。

どこに行こうかウロウロしていると、御所のほうから雅楽コンサートがまもなくはじまるというアナウンスが聞こえてきて、そのために塀の内側にはいることにした。手荷物検査と消毒が要求されるいっぽうで、入館料はなかった。雅楽に合わせた舞をしばらく見物したあとに、紫宸殿その他の建築をみた。

同志社大学から通りを隔てたところにある文化堂という喫茶店でオムライスを食べた。食後にエキゾチックな名前に惹かれてトラジャコーヒーも淹れてもらった。それが帝国時代の日本によるインドネシア入植の歴史と強く関わっていることをマスターに教えてもらった。あまりありがたがらずに飲んでしまったことをあとからすこし後悔した。

烏丸線で京都駅に戻った。関西顔の不動産会社の人物が原始的なアンケートの声掛けをしていた。モバイルアプリで指定席を取って、小さなおみやげひとつ買って新幹線に乗った。14時前だった。次の予定にあわせた時間の移動で観光に名残はなかったでもないが、明るい日差しのうちに帰ることが明るい気分にさせるような気もした。