基底の基本変換
基底の基本変換のレッスンが「線形代数学」の第七課であった。そこでは簡単になぞって終えていた。それがいま第十課にやってきて、任意の行列の基底を変換して上三角行列に変形するやり方を教えられて、基底の基本変換の計算にちょっと怪しさをおぼえた。復習の記録をつけておく。
具体例
3次正方行列で具体的に計算を追ってみる。
基底 における行列 を
として、それぞれの変換を加えたときの変化をみる。
基底の第 番目と第 番目を交換する
新しい基底 を、基底 の2番目と3番目の要素を入れ替えて とする。
すると基底の変換を表す行列 は
より
である。すると基底 での行列表示 は、
となる。つまり は の第2列と第3列を入れ替え、さらに第2行と第3行を入れ替えて得られる。
基底の第 番目を 倍する
新しい基底 を、基底 の2番目の要素を 倍して とする。
すると基底の変換を表す行列 は
より
また
である。すると基底 での行列表示 は、
となる。つまり は の第2列を 倍し、さらに第2行を 倍して得られる。
基底の第 番目に別の第 番目の 倍を足す
新しい基底 を、基底 の2番目の要素を 倍したものを3番目の要素に足して とする。
すると基底の変換を表す行列 は
より
また
である。すると基底 での行列表示 は、
となる。つまり は の第2列を 倍したものを第3列に加え、さらに第2行を 倍したものを第2行に加えることで得られる。