ユユユユユ

webエンジニアです

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

黒澤明の『天国と地獄』

夕暮れに話ははじまる。主人公権藤が勤め先に敵対的買収をかける計画が披露されたあとに、誘拐犯からの最初の電話と、警察の秘密の介入によって舞台のお膳立てが整って、他人の子のために身代金を支払うか、支払わないか、という問題に煩悶する演劇仕立ての…

小野絵里華『エリカについて』

新宿紀伊國屋書店をふらっとおとずれたら、一階と二階のフロアが大きく改装されて公開されていた。そういえばしばらくのあいだ二階の文芸コーナーがアクセス不能になっていて、眺めたい棚がどこにいってしまったのかわからなくなっていた。昔ほどにしょっち…

ヴィスコンティの『ベニスに死す』

セリフの比重が大きくないわりに、じっくりと演技をみせるということもしてくれず、遠くに配置したカメラをしつこくズームインして登場人物の顔がスクリーンからはみださんばかりとなり、ちょっと動くだけでも画面のなかでは激しく動いてしまって落ち着かな…

Light in August by William Faulkner

肌の白い男。彼が容疑を受ける殺人、放火、逃走。生まれたときから黒人の血が流れていると疑われて、自分が白いか黒いかも、なんのために生まれてどこに向かっているのかもわからずに、数少ない知己とのすれ違いから破滅のほうに押し出されていく。 身重の若…

『気狂いピエロ』

どんな男が話しているのかわからない、ベラスケスへの晦渋な批評のモノローグからはじまる。書きことばを読みあげていて、おそらく話者自身も意味を伝えられると信じていないし、伝えようとははなからしていない。伝わる意味があるとすれば、それは難しそう…

マーラーの第五交響曲

オーチャードホールに東京フィルの定期演奏会を聴きにいった。アンドレア・バッティストーニの指揮で、演目はリストの「ダンテを読んで」のバッティストーニによる編曲と、マーラーの第五。前から7列目の席にいて、オーケストラはとても近くに見えたが、舞台…

奥多摩にキャンプ

オレンジのハスラーを友達に借りてもらって、男子4人でキャンプにいった。行きは練馬から関越道。所沢、川越を通って青梅へ。帰りは土砂降り。渋滞を避けて、あきる野、八王子、日野、立川と下道をのぼって、国立府中から新宿まで中央道。 土曜日。奥多摩町…

『勝手にしやがれ』

正直なところ、この映画に強い印象や大きな存在感を感じてはいなかった。学生の頃にお勉強で観賞して、ふうん、と思ったくらいだった。つまらないとは思わなかった。ベッドの上でタバコを吸うのは格好いいけど、灰のやり場所にこまるだけだから真似すること…

ヘリノックスのチェアワン

来週末に奥多摩にキャンプにいくことになった。せっかくだしなにかひとつ余剰物資をもっていけると楽しいだろうな。コンパクトで、それでいて座り心地のいいような野外用チェアがあるといいなとおもった。 新宿までいってみることにした。快晴だったから、自…

思い出された万年筆

日記を長く書くときにボールペンでグリグリ書き込むのは手が疲れる。紙の上にペン先をおいただけで文字が流れていってくれるといいなとおもった。 学生の頃にプレセントされた真鍮の万年筆があったはずとおもって探したら、昔のトラベラーズノートのポケット…

北八ヶ岳

職場の友人に誘われて八ヶ岳にのぼった。ニュウという峰に登り、そこから中山という峰へと渡って、下山した。2000メートルほどの地点にある登山口から、2300メートルを越すくらいの高さまで上った。それくらいならなんとでも、という軽い心意気で臨んで、し…

Local Green Festival '22 Day 1

土曜日はフェスに遊びに赤レンガ倉庫にいった。ライムスター、キャンディタウン、ナルバリッチと3アクトをみた。各組だいたい50分のセットを演じてくれて、つごう3時間気持ちよく身体を動かした。 3年前にお台場のフェスで観たライムスターをもういちど観に…