2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧
パゾリーニによるキリストの生涯の映画化。国内上映権が切れるタイミングで新文芸座が上映するというので、レイトショーで観にいった。 とても嫌な映画だった。詭弁だらけの論破王。ポピュリストの独裁者。そういうフレーズが上映中ずっと頭のなかを走り回っ…
散文的に幕を開ける。とりとめがなく、文字通り焦点の定まらないショットが続き、前半部分は眠気を引き出されていた。しかしオイディプスが即位し、テーバイを災厄が襲いはじめてからというものは、否応なく目を見開かされる、感覚に痛々しいシークエンスが…
快晴。早朝から一気に気温が上がり、暑すぎて嫌でも目が覚める。最高気温が37℃だという。梅雨はどこへいったのか。冷房を効かせた部屋で、昼休みをはさみながら、解析の勉強。 南中からしばらく待って、サンダルを突っかけて自転車で出かける。駅前でタイヤ…
解析入門の講義は第14講のローラン級数にはいろうというところ。ラジオ講義の解説は数式を口頭で読み上げるという前近代的な仕上がりになっている。コーシーの積分定理の証明の途中式をだらだらと詠唱しているさまを想像してほしい。不便を超えて悪質の域に…
放送大学の「データベース('17)」の講義を完走した。週に一課を一定のペースで進めるのではなく、気が向いた時間に数回分の講義をまとめて視聴するやり方で通した データベースという言葉の語源が、50年代に米軍が持っていた情報集約基地のことをズバリ指し…
疎外感を感じるのは誰にでもあること。自分ではどうしようもない、神が与えた境遇に苦しむのは普遍的なこと。悩みや不満を共有できる相手がいることはたぶん、心からわかりあうこととはすこし違う。その宙吊りなアイデンティティを、コーダという名前で定義…
大学3年のとき、『ペルシア語文法ハンドブック』という文法書を、その著者の吉枝先生の研究室で買わせてもらった。それをカナダ留学に持参して、在カナダのイラン系移民の子どもたち(彼らは親の言葉を話せないのだった)と一緒に、ペルシア語の授業を受けて…
映画はフィクションだというのは大前提であるのに、それでも「そんなご都合主義なことがあるかねえ...」と醒めた態度でもって、リアリティがなくていまいちピンとこないんだよねえ、と気の抜けた感想を持ってしまうことはしばしばある。つまらない大人の仕草…
恩着せがましいといわれた。そうなんだろうな。 自分に酔っているのだといわれたら、たぶんそうなのだろう。そうなのだろうから仕方がない。どうしようもない。ひとのためになにかをする。それを互いに幸福におもえる。そういう幻想を楽しめなくなったら、お…
ツイッターで発された「いい言葉」の抜粋を相田みつをの名言集よろしくパッケージしたような本、という印象が最初にあった。元気の出ることは書いてありそうだけど、1ページに140文字くらいという濃度の本で、しかも同じものをネットで無料で読めるんでしょ…
不真面目より真面目のほうが優れているかのような錯覚にとらわれてはならない。不真面目が多様な相を持っていることに比べて、真面目ということの凡庸さはおおいなる不自由を生じさせる。 真面目という言葉は雑である。「なんとなくいいこと」くらいの意味で…
2018-19年に恵比寿のシェアハウスに住んでいた。そのときに仲良くしていたメンバーとの飲み会にいった。19時に飲み始めて、3時過ぎにタクシーで帰った。悪い飲み方をしたつもりはなかったはずなのだが、ひさしぶりにひどい二日酔いに見舞われた。8時間も飲み…
怪獣との戦闘はおもしろい。それがバカにもわかるウルトラマンの力と勇気を見つけているからである。しかしそれ以外のパートでは、特殊な固有名詞とそれらしい政治劇で煙に巻くような構成が悪くみえた。 中身のない話をし続けるという意味ではたしかに空想映…
この が となる。そのように説明されるのを線積分の講義で聴いて、行間の論理が吹き飛ばされて大きく飛躍したのを感じて、混乱した。 wolframalpha.com でプロットしても、思ったとおりV字のグラフが描かれて、助けにならなかった。 そのとき、この YouTube …